盈徳ズワイガニ

ズワイガニの由来
生態と特徴
区別方法
栄養素/効能
加工産業
調理法

盈徳ズワイガニはズワイガニ科に属するカニで、韓国で獲れるカニの中で一番大きいです。足が長く、体も大きくてとてもおいしいです。盈徳ズワイガニという名は、足が竹のように長く、節があって付けられたと言われています。

王様の好物な盈徳ズワイガニ

高麗末期の政治家で学者である權近(クォン·グン)の『陽村集』に次のような記録があります。 「西暦930年、太祖王建が安東河回村付近の屏山書院で甄萱の兵士を大破し、この時安東の地方有志の他にも当時寧海部を管理していた寧海朴氏らが土豪勢力として戦闘を助けた。」 この時、王建が寧海と盈徳を通って慶州に向かいながら、今の丑山面景汀里の車踰村で盈徳ズワイガニを初めて食べたと伝えられています。優れた味を認められた盈徳ズワイガニは、その後朝鮮時代に至るまで王様の御膳に献上される進上品として定着しました。

盈徳ズワイガニの始まり、車踰(チャユ)村

慶尚北道盈徳郡丑山面景汀2里の車踰村は「元祖・盈徳ズワイガニの村」としてよく知られています。その由来は次のように伝えられています。 高麗29代忠穆王2年(1345年)、初代の領海副使「鄭邦弼」が赴任し、管轄地域である今の丑山面景汀里の自然部落であり、ズワイガニの産地であるこの村を巡視した。「領海副使たちが車に乗って峠を越えてきた」として、村に「車踰」と名付けられたという。 もう一つの説は管轄地域を巡視していた領海副使がこの村で進上されたズワイガニの特別な味に惚れてしまい、また一日を止まって行った。それからこの村が車留(チャユ)村と名乗られたという。 こぢんまりとした景汀里浦口の丘には1999年4月に建てた「元祖・ズワイガニの村」の標示石が立っている。

盈徳ズワイガニの生息環境と主食

image description

ズワイガニは韓国の東海岸沿岸に沿って多く分布し、日本の場合は日本海西南海域と冷水帯でよく捕まえる。他にもオホーツク海、カムチャツカ、ベーリング海、アラスカ海、グリーンランドなどに分布しているが、概して韓国の東海と日本列島西海岸に現れる水深200~400mの大陸棚延辺部・中央部および大火退に主に分布する。

ズワイガニは水深200~400mの砂底または泥があるところに生息する。0~13℃より高い水温でも生きれるが、高水温に対する抵抗力が非常に弱く、生息水温は主に3℃以下の冷温だ。

甲殻類(カニ、エビなど)、小魚類、頭足類(イカ、タコなど)、多毛類(カイガラシなど)などが主食である。

盈徳ズワイガニの特徴

image description

ズワイガニは、十脚目ケセンガニ科に属する甲殻類である。全世界の北方冷水域に主に分布しており、ズワイガニを含めて計5種が知られている。韓国ではズワイガニ、ベニズワイガニ(紅ズワイガニ)の2種が漁獲されている。

歩く脚は全て比較的平らである。第1、第2歩く脚は非常に長く厚い方であり、第3歩く脚はやや短く、第4歩く脚は非常に短く細い。また、ズワイガニの大きさは生物学的に最小の成熟基準を甲幅の大きさが基準である。オスの場合は6.6cm、メスの場合は6.3cmとしており、最も大きいのがオスは甲幅18~20cmくらい、メスは10~12cmぐらいだ。危険を感じれば自らで足を切断することもあるが、成長と脱皮を繰り返す間に再生され本来の形を整えることになる。

image description
仕分け 内容
硬い甲羅 硬い外骨格は、体内の器官を外側から保護する役割だ。
多数の小さな目が集まって作られた腹眼、突き出た眼柄に目がついてあり、機能も動きも非常に自由である。
1対の大あご、1対ずつの第1・第2小あごがある。これらを動かしながら餌を割って飲み込む。
節幅が広く膝の関節が一方向にしか曲がらないため、横歩きの方が楽。
オス・メスの区別 胴体をひっくり返したとき、下の部分に三角形の面子があればオス、円形の面子があればメス。

ベニズワイガニ

image description

ベニズワイガニの外観は盈徳ズワイガニと似ている。詳しく見ると、ベニズワイガニの胴体は真紅で背中と腹側ともに赤いが、盈徳ズワイガニは背中側はオレンジ色に近く、腹側は白に近い。この特徴が蒸した後にも同じように現れるので、簡単に区分できる。 形態的特徴から見ると、盈徳ズワイガニは甲殻後方の側面に顆粒状の突起列が.2列に並んでいるがベニズワイガニの場合はあれが1列に合わさっている。 もう一つ、ベニズワイガニの甲幅の最大付近の左右には一つずつの小さなとげがあるが、盈徳ズワイガの場合にはこのとげがない。

영덕대게의 구분에 따른 구별 표
仕分け 盈徳ズワイガニ ベニズワイガニ
黄色いオレンジ色 赤い深紅色
少し甘みがあり、淡泊でしこしこする。 塩味がして肉質が柔らかい。
ズワイガニの身 中身がぎっしり詰まっている。 身の量が少なく、水分が多い。
生息環境 200~300mの大陸棚に生息する。 700~2,000mの深層に生息する。
捕獲禁止期間 6. 1. ~ 10. 30. 7. 10 ~ 8. 20. (江原道は 6. 1. ~ 7. 10.)
柔らかい 硬くて堅い
備考 国内市販 大半が加工後の外国輸出

ナドズワイガニ

最近、沿岸近海で盈徳ズワイガニの変種と考えられる「ナドズワイガニ」が大量捕獲されている。ナドズワイガニは盈徳ズワイガニとベニズワイガニの自然交雑種と推定されているやつで、形態学的にも両種の中間特性を持っており、生息する分布水深も中間深海だ。国立科学院で「ナドズワイガニ」と発表する前は、盈徳では「アオガニ(チョンゲ)」と呼ばれたりもした。 日韓漁業協定のためズワイガニの漁場が縮小された状態で、盈徳ズワイガニよりは多少品質は劣るが、ベニズワイガニよりは商品性が優秀なナドズワイガニの資源発掘は相当な意義を持つ。 現行法ではズワイガニの変種と推定されているナドズワイガニに対して別途分類しておらず、盈徳ズワイガニに準じて処理している。

영덕대게의 종류에 따른 특징 표영덕대게의 종류에 따른 특징 표
特点 ズワイガニ ナドズワイガニ ベニズワイガニ
外部色 背中側(オレンジ色)、腹側(白) 背中側(深紅)、腹側(薄紅) 背中側(深紅)、腹側(深紅)
頭胸甲の後部傾斜角の形 傾斜角が緩やかだ 傾斜角が急だ 傾斜角が急だ

キチン

キチンは甲殻類や昆虫類の殻、カビ、キノコなど菌類の細胞壁などに多く分布している物質である。主に甲殻類の皮から抽出して得る。天然高分子物質としてセルロースと非常に類似した構造を持つ地球唯一の動物性食物繊維である。脂肪、重金属などを吸着する独特な特性を持っており、その利用価値および適用可能性が非常に期待されている物質だ。

キトサン

キトサンはキチンを高温、強アルカリの条件下で脱アセチル化(D/A)して得られる、グルコサミンが5000個以上結合した天然高分子物質だ。最も理想的なキトサンはグルコサミン残基を100%含んでいるキトサンだ。つまり、キトサンとはキチンを100%D/A処理したもの(精製度100%)を指すが、一般的には60%以上ならキトサンと呼び、韓国の基準では70%、日本の場合は80%と規定している。

キトサンオリゴ糖

キトサンオリゴ糖は高分子キトサンを加水分解して得る。すなわち、5000個以上の高分子物質であるキトサンを細かく分解(オリゴ化)し、体内吸収を容易にしたものを指す。よく糖分表度をキトサンオリゴ糖の品質を表す核心に挙げる。特に、5,6,7糖以上は医学的効能が非常に優れていることが知られ注目を集めており、がん治療剤としても開発中である。

영양소별 세부내역 및 효능 표
栄養素 詳細内容 効能
無機塩類 セレニウム
  • 血液凝固、回復期患者、基礎体力回復に役立つ
  • 筋肉収縮、赤血球生成、骨、歯の健康、エネルギー代謝、神経伝達
  • pH調節、血液維持、ビタミンCオキシダーゼ作用、抗酸化作用、核酸加水分解酵素
カルシウム
リン、マグネシウム、マンガンなど10種類
カリウム
ズワイガニの殻の成分 タンパク質
  • コレステロール低下、がん予防、殺菌、抗菌、核酸複合物、血糖調節、肝機能強化、血圧上昇抑制
  • 第3の物質(現在の食品では含まれていない物質が多様に含まれている)
  • 重金属の吸着力、医療用、液晶素材、釉薬、ペイント
脂肪
キチン、キトサン
回分
W脂肪(3種)コレステロールタンパク質  
  • 他の食品に比べて老化防止成分を多量に含有
  • 向氣性に関与、エネルギーの源
  • 体重増加の負担がほとんどなし
アミノ酸風味成分(18種) チロキシンヒスチジン
  • 消化酵素作用、発育不全の子供に効果あり、タンパク質を構成する酵素
  • 筋肉タンパク質代謝、ニコチンの前駆体を形成、必須アミノ酸物質
システイン
  • 解毒作用で最大値である(他の食べ物と比べて含有量が高い)
タウリン
  • 必須アミノ酸としてCoAを生成
ビタミン ナイシン、リボフラビン、ビタミンB、その他計8種類
  • 人体の物質調節、支配作用、抗壊血防止、誘導体補助酵素·CoA構成成分
  • 視力の回復、目の疲労回復、悪性貧血予防、免疫能力増進、抗酸化剤(トコフェロール)
  • 人体に必須栄養素として適量を含有
グリシン·ベタイン ベタイン類
  • 水に溶けやすい性質、双星イオンとして存在し、独特な味がする。

ズワイガニ加工産業の歴史

~ 1969
1999 ~
1999 ~

新・日韓漁業協定で日本水域から韓国漁船が撤収され漁場も縮小されており、その間乱獲が放置され海の水温が高くなる影響などで、漁獲量が絶対不足し加工業界は最大の不況期を迎えている。

1989 ~ 1998

韓国漁船は日本水域に進出して操業しながら、加工産業も漁獲量によって好況期と不況期を繰り返した。

1980

韓国漁船が日本漁船を追い出しながら両国は1988年まで対峙状態であった。 しかし、漁船と加工工場が増加し、日本、アメリカ、欧州に加工食品を輸出しながら、加工産業は外貨獲得のエースとして登場することになった。

1970

1976年水産振興院で試験的に操業をし、1977年から日本に中古のズワイガニ漁船を輸入して操業し始めた。しかし大型漁船による採算性悪化で失敗し、1980年代までこのような状況が繰り返され加工技術も不足で産業を中断せざるを得なかった。

~ 1969

特にベニズワイガニの漁業は遠洋漁業で漁具と装備が高い水準に備わってこそ可能な操業だ。 韓国の沿岸漁業の技術水準では1960年代まで積極的な操業ができなかった。日韓漁業協定の後、1965年から1985年までは日本漁船が韓国水域で独占的に漁獲した。

ズワイガニ加工産業

image description

胴体部(Crab Meatの原料部位)

100℃で蒸した後、冷却して脚と胴体、そしてトングの部分を切断し、部位別に区分して分ける。そして脚の身と胴体の身、トングの身を区分してそれぞれ利用する。ベニズワイガニのタンパク質の中には必須アミノ酸だけでなく、不飽和脂肪酸とタウリンなども多量に含まれている。

クラブ・シェル

蓋を採取して蒸した後、これを洗浄して損傷していないものを選別する。蓋は別途加工して活用することができる。一般的にはカニとジャガイモ、玉ねぎ、牛乳チーズとマカロニ、パプリカ粉末など15種の材料を混合してグラタンを作る。その他にも日本とヨーロッパなどにグラタンおよび皿代わり品として輸出している。

内蔵部

ズワイガニの内臓は昔から漢方および高級化粧品の原料として使われてきたが、その中身が濃くて変質しやすかった。今はケジャンを採取して不純物がないように洗浄し、濃縮して製品として利用している。

カニだし

ベニズワイガニは加工過程で蒸して焼くが、この時カニを茹でたお湯にも香りと栄養素が含まれており、これを濃縮してカニカマなどに香料として使用している。濃縮度を調節してうどんや蒲鉾などの料理のソースとして使うこともある。

カニの皮

ベニズワイガニの皮にはキトサンの原料であるキチン質が多く含まれているため、キトサン加工工場に供給される。一部は畜産物の飼料として活用されるため、ベニズワイガニは副産物まで捨てることなく利用される非常に有用な資源だ。ベニズワイガニもその数がますます減っているので、関連さ製品の大量生産による低価格輸出を避け、高級製品を作って価値を高める必要がある。

健康たっぷり・ズワイガニの蒸し方

ズワイガニは大きさや種類によって蒸す時間が違う。湯気が立ってからの時間で計算すれば良い。

また、ズワイガニは釜に入れる前にぬるま湯に漬けておき、必ず死んだのを確認してから入れなければならない。生きているズワイガニをそのまま蒸すと、体をひねって脚が断ち、胴体の中のケジャンがこぼれてしまう。

釜には水を適当量入れ、小盤にズワイガニをのせて蒸さなければならない。この時、ズワイガニの腹側を必ず上に向けるようにしてこそ、熱い湯気が入ってもケジャンが流れ出ない。



盈徳ズワイガニのおいしく蒸す方

Step1蒸す前にお湯を口に注ぐ。

Step2蒸し釜に入れる時、必ず腹部が上になるようにしなければならない。

Step3カニには特有の生臭さがあるので、少しの精腫を入れるのもいい。

Step4カニの腹の上に香ばしい松葉を置いて麻布で包む。

Step5蒸し器で弱火5分、強火10分、蒸す5分で蒸す。 (途中でふたを開けてはいけない。)

脚を切った後、脚を利用して食べる方法。

image description

トングを使って食べる方法。

image description

はさみなどの道具を使って食べる方法。

image description